コムテントコラム
トラックシートの選び方
- トラックシート
トラックシートの目的は道路を走行する時の落下防止や雨、風、日光やホコリから荷物を守ることです。強度は材質だけでなく作り方にも左右されますし、サイズも合っていて使い勝手がいいシートだと長持ちしたりもします。良いシートを製作する上でお打ち合わせをする時のポイントをご紹介します。
種類について
「平シート」
長方形の一般的なシートです。周囲を折り返して縫製しハトメ加工をします。
「前絞りシート」
鳥居(荷台と運転席側との境)に掛けてロープで絞り取り付けます。
「前被せシート」
鳥居に合わせて前側のみ形を作り鳥居を覆うように取り付けます。前方からの風雨を防ぐことができます。
材料について
エステル帆布が多く使われます。ポリエステル基布に塩ビ樹脂で防水処理が施してあり、風雨を防ぎます。厚みや強度により♯2から♯6の種類がありますが、多く使われるのは♯5です。♯2から♯4は強度がありますが重量もあるので毎回脱着をするような大型のシートには向きません。掛けっぱなしの幌シートに向いています。逆に♯6は強度に劣るのでこちらも大型シートには向きません。大型シートには♯5の強度があり♯5より軽量の軽量帆布が多く使われます。シートの掛け外しの労力を軽減してくれます。
「エステル帆布」♯5ライトグリーン
製作するトラックシートの色としては一般的な色になります。
「エステル帆布」♯5OD色(国防色)
自衛隊のイメージです。
「エステル帆布」♯5 オレンジ色
黄色に近いオレンジです。
「エステル帆布」♯5 グレー色
ブルーグレー色です。ネズミ色ともいいます。
※♯2から6は厚みと強度が異なります。
色はグリーン・オレンジ・OD(国防色)・ネズミ・白・ブルー等ですがメーカーと商品によって無い色もあります。
「軽量帆布」グリーン
ダークグリーンに近いです。
他にはODとオレンジ色があります。
いくつかあるメーカーの一例ですが
下記のようなラインナップになります。
仕様について
幅継ぎ
材料は約1000ミリ幅や1800ミリ幅ですが、シートの幅は大きくなると6mをこえるものもあります。生地の幅を継いで大きくしていきますが、ウェルダー溶着をして水の侵入を防ぐ加工をします。
縫製
周囲は補強の為にロープを入れながら折り返し縫製をします。さらに補強をする場合には折り返すときに別の生地布をもう一枚入れながら縫製します。
角補強
小さいシートは付けませんが、通常(4t以上)シートはオプションではなく標準仕様で付けています。
ハトメ加工
ハトメ(ゴムロープを通す穴金具)を打ちます。ハトメは真鍮製でトラックシートには♯30(内径約15ミリ)を使用しています。間隔等はご要望に合わせています。
コーナー部分です。周囲縫製箇所とコーナーのハトメ、角補強
その他の仕様について
三角ペケット
シートが大きくなると、周囲のハトメにゴムロープで引っ張っただけでは走行時にバタつきが激しくなり、シートの破損につながります。そこで周囲より内側に三角ペケットを取り付けゴムロープで引っ張ることでバタつきを軽減することができます。
三角ペケットとウェルダーカ所です(ウェルダー溶着部分は見えづらいですが)
帯ペケット
三角ペケットと使用目的は同じですが、こちらの方が強度的に優ります。
センターライン
センターラインを付けることによってシートを被せるときに中心が一目瞭然で分かり取り付けしやすくなります。
裏アテ補強
鳥居に被せたり、幌骨を立てて使用されるシート(前絞りが多い)では裏側にあて布をして補強することもあります。その他にもご要望があればできる限り対応するようにしています。
関連備品について
補修テープ・テントのり
シートに使うエステル帆布は一般的な布と比べると強度はありますが、角に引っ掛けたり、バタつきで樹脂が損傷して薄くなったり破れたりします。小さいほころびや破れでしたら補修用テープやテントのり等で修理してもらいながら少しでも長くお使い頂いています。
補修テープ 14cm×25m巻き
テントのり あてる生地とシート側両方に塗った後、半分乾かし、ローラー等で押えます。
ゴムロープ
トラックシートを固定するのに一般的に使われるのがゴムロープです。20ミリ幅で20mが1本1袋になったものが使い勝手が良いと思います。運転手さんが取り付けられる時に調整が効く方が良いと思います。
毛布入れ
養生用に毛布がよく使われます。汚れや風雨から守る事と整理整頓をするのに毛布を入れておく簡易的なバッグです。毛布だけでなくロープ類やランシングベルト等も一緒に入れておくこともできます。
衝撃吸収マット
荷下ろし積み込み時に製品等の落下を想定してマットを置くことがあります。製品への衝撃緩和と床への傷防止などに使われます。
具体的なお打ち合わせ
以上のような材料や仕様でお話しする要点だけ解って頂けたら、あとは基本的にメール、ファックス、電話等のやり取りだけで事足りると思います。簡単な図をお送りして頂けたら、行き違いのミスも軽減できると思われます。